思い出した。あの時と同じ。

「お願いごと、かなえてくれる」

あなたに出会えたこと・・・。

「みゅーに、教えてあげて」

静かにゆっくり。ピアノの音が流れはじめた。



最近、離れられない旋律がある。今まで何度も聴いたことのある、知っている曲なのに、どうしても近付いてしまう。ずっと、気になっている。ミューズさんはそれから、ピアノを奏ではじめた。

「ネミ、だいじょうぶ?」

「はる・・・」

卒業式でもないのに、セレモニーを終えた後の私は、涙でいっぱいだった。

「どうして、あの曲だったんだろ・・・」