「ねみ」

毛布から孝太の手が見えてる。

「あったかい」

「ほんと?」

「うん」

「今、食べたからかな、いっぱい」

ほんの少し、孝太の言葉にメープルの香りがする。

「・・・ふわぁ・・・」

「あれ?眠い?」

「さっきまで何ともなかったのに。・・・あ、孝太の手のせいかも」

「ふふ」

窓の外の景色が遠くなってく。