「すぐにねみに渡そうって、オレは言ったんだけど、お願いを聞いてからにしてって・・・」
はる・・・。
「ねみのこと・・・しあわせにしてあげてって・・・」
私・・・。きっと何も失ってないよ・・・。
「オレは・・・傷付いてるねみの心に・・・。亡くなった孝太くんのことを利用して踏み込んだんだ・・・。時間をかけて、結局、みんなのこと、苦しめることしかできなかった・・・ごめん・・・ねみ・・・ごめん・・・」
ありがとう・・・。時間。孝太がつくってくれたんだよ。私にはきっと、なくてはならない時間だった。
「・・・孝太」
「ねみ・・・?」
「私のピアノ。聴いて」

