階段の先に光が見える。ずっと、弾いてみたかった。あの曲を・・・この場所で。
・・・ポンッ。ピアノの音が踊る、屋上テラス。星空の下で、だいすきな人が照らされてる。

「孝太っ・・・」

「わっ、びっくりしたー。・・・ねみ?」

「もー。探したんだよ」

背中、すごくあったかい。

「ねみ、そんなくっついたらピアノ弾けない」

「ピアノって・・・孝太、打ち合わせは?」

「え?」

「葉子さんが18時からって」

「うそ・・・潤、連絡回してないの?」

潤さん・・・?