春から何度も会ってたから。高校は違うかったけれど、はると親しくなった。亡くなった私の彼・・・孝太。そして、私。3人で一緒に合格しよう。ずっと、夢だった。
 
 その日は、少し体調が良くなくて。私は先に帰ったんだ。だから私は、二人が踏んだ落ち葉たちを知らない。

「あのさ・・・これ」

「なに?」

ベートーヴェンのCD。はるは、孝太が受験の参考にと・・・渡してくれるんだと思ってたみたい。

「これ、音美に渡してくれないかな?」

「ネミに?」

「うん」

「・・・どうして?あたし、いつ会えるか分からないよ。明日、高校で会うでしょ?」

「・・・」

「どうしたの?」