「だけど、音美をこれ以上、傷付けたくないから、伝えます」

ミューズさん・・・。

「俺、好きな人ができたんだ・・・。音美のこと、もう見てあげられないかもしれない」



 今までのことって、何だったんだろう。私の想いは、どこかへ消えてしまったみたい。残された時間は、私たちにしか与えられなかった。あなたはもう、いないから。

「・・・ねみ?」

でも、ひとつだけ・・・。私には、今がある。

「涙、止まった?」

「あっ・・・」

私・・・泣いてたんだ。ぎゅうって・・・。ソファーで、ミューズさんにしがみついたまま。

「私・・・このままでいいのかな・・・」