重い足取りのまま学校に辿り着き、自分の下駄箱を開けた。

 ……まただ。上履きが無くなっている。今日に限った事ではない。
 僕は諦めにも似た溜め息を軽く吐き、履いてきた運動靴を下駄箱に入れ靴下のまま教室に向かった。

 2−C。僕の存在すべき場所。いや、存在しなくてはならない場所、というべきだろうか?

 ドアを開けると、ざわついていた教室が一瞬静まり返った。ほんの、一瞬だ。それと同時にクスクスとあちこちで含み笑いが聞こえ始める。
 その声が僕の耳に届かなかったわけではない。ただ認めてしまうのが恐かった。


 ――シロに会いたい。今すぐあの小さくて温かいぬくもりを感じたい。