その夜は、なかなか寝付けなかった。


 昼寝したせいもあるのだろうが、まだ六月だというのにむせ返るような暑さのせいかもしれなかった。
 それでも断片的には眠っていたのだろうか? ふと時計を目をやると、夜中の二時過ぎ。暗闇の中、着々と確実に時を刻んでいく時計に恐怖を覚える。
 きっとまた母親は確認するため学校に連絡をするだろう。

 恐い。学校へ行くのが恐い……。

 考え始めると、その気持ちがどんどん膨らみ止まらなくなった。
 慌てて、横で静かな寝息を立てているシロにしがみつく。しかし、暑さに堪えられなくなりすぐにシロから体を離した。

 仕方なくノソノソと起き上がり、机に向かいキーを打ち込む。

<ばんわ(^ω^)>
 こんな時は誰かと話すのが一番気が紛れる。
 こんな夜中にも関わらず、いつものように打ち込んだ文字にたくさんの反応が返ってくる。

 僕はホッと安心感を覚えた。