と、同時に



 チュッ――



 触れるだけのキスをしてくれた。



 突然のことに言葉にならない。



 でも、先輩のキス一つで寂しかったのが


 少しはなくなったなんて…


 あたしだって、単純なんだな…



 ちょっとの間先輩のことを見つめていると



 「まだ、足りない?」


 小首をかしげて聞いてくる先輩は


 誰よりもイジワルだ…



 「ううん…大丈夫です…」



 「そっか?…じゃあ。また帰りな?」



 ポンポンと優しく頭を撫でてくれた。



 「はい…」



 大きな先輩の手から温もりが伝わってきた。



 今日も1日頑張れるよ…!



 「迎えにいくから」