アタシが黙っているから、柏木も何も言わなくて。

静まった空気に焦りを感じて、もう一度タオルを差し出した。


「……はい」

「……」

「ちょっと、はいってばっ」


だけど柏木は、


「え──キャーッ!!」


柏木はタオルじゃなくて、アタシの手首を掴んだの。


ギュッと握られ、グイッて引かれて


制服のまま落下した、プールの中。