校舎から聞こえてくるチャイム。

鳴り終わるのを待っていたかのように、柏木が言ったの。


「キス、していい?」


返事を声に出すのは、恥ずかしい。

だから無言で、コクって頷いた。



見つめ合ったのは数秒。


柏木の腕の温もりを感じて、

近づいてきた顔にドキドキして、

微かな吐息を意識して……


目を閉じた。