「これじゃ、授業でれないじゃない」


涙目で訴えたら、予想外の答えが返ってきた。


「だったらサボれば?」

「はあ?」

「オレと、一緒に」


真っ直ぐに見つめられて。

しかもこんな近い距離で、怒るタイミングを失っちゃう。


「わざとやったんだ。中原が気づかないから」


ちょっとだけバツが悪そうに言って、頭を掻いた柏木。


「気づかないって、なに?」

「……オレの、気持ちにだよ」