笑いながら話していた雪奈が、急に真剣な顔をして言った。

「あのさ・・・かっちゃんを好きな気持ち、無理に忘れなくてもいいよね・・・?」

忘れなくていいよ。
だって本当は克哉も雪奈が好きなんだから・・・

「10年以上好きだったんだろ?そんな簡単に忘れられるわけないじゃん。無理に忘れる必要なんてないよ。」

そうだよ・・・俺だってそうなんだ。
今こうして雪奈が克哉を想って泣いてるのを目の前で見てても、雪奈を諦めることなんて無理なんだから・・・

「雪奈は、いつもの雪奈らしく、笑ってればいいんだよ!な?」

「ありがとう・・・」

そう言った雪奈の顔は、俺が大好きなあのいつもの笑顔だった。