学校へ着くと、視線の先に雪奈と門脇が男たちに囲まれているのが見えた。
男たちは門脇に雪奈と付き合ったって本当かとか、雪奈にも門脇なんかやめて俺にしろとか、俺も告れば良かったとか、いろいろ冷やかしていた。
何も言えずに黙って俯いている雪奈。
そんな雪奈を見て門脇が、

「ほら!離れろよ!雪奈ちゃんがビックリしてるじゃん!」

と言って、雪奈の前に立って雪奈を男たちから隠した。
そして付き合ってるのかちゃんと説明しろと言ったやつに、付き合ってるよと言った門脇は、雪奈の肩を抱いたんだ。


その状況を見ていられなくなった俺は、

「邪魔!」

と言い、雪奈たちの真ん中を割って歩いていった。

その時、俺を呼ぶ雪奈のか細い声が聞こえたけど、俺には振り向く資格なんてなかったんだ。雪奈を傷つけたのは俺だったんだから・・・