いつも通りの日常。
毎日、同じ仕事の繰り返し。
でも、イベントから2日経った後の今日は違った。
今日は舞台を見に行く日だったから。
見慣れたはずの話でも、彼が見れるだけで退屈も飽きることもなかった。
我ながら本当に女って怖い生き物だと思う。
いつも見る為に座る席はなんとなく決まっていて
お客さんもまばらにしかいないのに数列目の一番端。
これが私の定位置。
あまり目立たない場所。
根暗で日陰にいるような存在の私にはピッタリな場所だった。
今日も、来て良かった。
楽しかったなぁ、周りに音符マークが飛んでるんじゃないかってくらい
ホクホク顔で会場を出て、人波を避けるようにいつもの駅に遠回りする道を歩いていたときだった。
「おーっ。」
「えっ?」
「あ、帽子にマスクじゃ分からないよね。」
キョトンとする私を前に、フレンドリーに手を挙げて声を掛けてきた人は
マスクを下にずらし、素顔を晒した。
「っ!!?牧原さんっ、こ、こんばんは。」
「お疲れ様、今日は一人?」
「はい。今日は一人です。」
「この間、メッセージもらったのに返信できなくてごめんね。」
「いえ、あの、牧原さん お忙しい人ですし、気にしないで下さい。」
そう私が言うと、牧原さんは私をじっと見つめて拗ねたように口を開いた。
「ねぇ、敬語じゃなくていいって前にメッセージで言ったよね?」
「す、すみません…、でも、牧原さん年上ですし…」
「そんなの関係ないよ。敬語って距離感じちゃうし俺、俺嫌なんだ。だから、敬語はなし。いい?」
「は、はい。」
毎日、同じ仕事の繰り返し。
でも、イベントから2日経った後の今日は違った。
今日は舞台を見に行く日だったから。
見慣れたはずの話でも、彼が見れるだけで退屈も飽きることもなかった。
我ながら本当に女って怖い生き物だと思う。
いつも見る為に座る席はなんとなく決まっていて
お客さんもまばらにしかいないのに数列目の一番端。
これが私の定位置。
あまり目立たない場所。
根暗で日陰にいるような存在の私にはピッタリな場所だった。
今日も、来て良かった。
楽しかったなぁ、周りに音符マークが飛んでるんじゃないかってくらい
ホクホク顔で会場を出て、人波を避けるようにいつもの駅に遠回りする道を歩いていたときだった。
「おーっ。」
「えっ?」
「あ、帽子にマスクじゃ分からないよね。」
キョトンとする私を前に、フレンドリーに手を挙げて声を掛けてきた人は
マスクを下にずらし、素顔を晒した。
「っ!!?牧原さんっ、こ、こんばんは。」
「お疲れ様、今日は一人?」
「はい。今日は一人です。」
「この間、メッセージもらったのに返信できなくてごめんね。」
「いえ、あの、牧原さん お忙しい人ですし、気にしないで下さい。」
そう私が言うと、牧原さんは私をじっと見つめて拗ねたように口を開いた。
「ねぇ、敬語じゃなくていいって前にメッセージで言ったよね?」
「す、すみません…、でも、牧原さん年上ですし…」
「そんなの関係ないよ。敬語って距離感じちゃうし俺、俺嫌なんだ。だから、敬語はなし。いい?」
「は、はい。」