そう聞こえた。 「知ってるよな?俺は陸上部で、一番足が早い…って」 光り輝く希望のすぐ目の前で、 その光り輝く希望が、 鮮やかに黒く微笑む、 絶望に変わる。 「来い」 まだ光り輝く希望が残っているかもしれない。 見えない希望に手を伸ばす。 私が掴んだのは、 白い羽根を持つ天使の手なのか、 それとも、 黒い羽根を持つ悪魔の手なのか……。