桃色の蜘蛛、只一つの罪【短篇】

─彼に救われた時の罪を償おう…。

あんなに晴れた気持ちになれるんだから。


街の営みが優しく感じる、その時間がもっと欲しい。

私が彼になれば、明け方の不安も少しはマシになるかも知れない。

私は隣で顔をひきつらせている女に言った。

─あんたらもう大人しくしなよ。私が出て終りにするから。ピンクスパイダーは解散しよう。もう糸は広げちゃ駄目だよ。