桃色の蜘蛛、只一つの罪【短篇】

金を預けたあの日依頼、私に代わって何かと仕切り出した彼女は、無断で人を増やし、いいように金を集めていた。

─こないだ入れた奴が下手打ってさ、絶対しゃべると思うんだ。

─あんたはどこにいんの…?

すでに視界からは彼の姿は消えてしまっていた。

─あたし、金持って飛ぶわ。エリカさんが一番ヤバいよ。“一応”あたしらのリーダーって事になってるし。

信じていない者の、当たり前の言動……。

─今更金の事をとやかく言わないよね。エリカさんも飛んだ方がいいよ。じゃね…

プッ…プープープー……




──蜘蛛の糸が、ほどけた…

その時、そう感じた……。