桃色の蜘蛛、只一つの罪【短篇】

─エリカさん、どうしたの?浮かないね。

─うん…何でもないよ。

─昨日の上がり渡しとくね。

“仲間”とされている娘達が稼ぐ色銭…。

─そうだね…預かっといてよ

─…え…いいけど…今日も何人か男繋げそう?

桃色や黒を求める彼女達。

─悪い、今日は駄目そうなんだ…

─…あぁ…そうなんだ…じゃ言っておくよ。でも夜は盗らすよ、また連絡する。

彼女もまた、本当の“仲間”じゃない。いつでも裏目に廻るその他大勢だ。