─ウチの娘達なら飛びつくカモネギだな… そう思いながらも、 ─たまには自分も手を染めようかな…。 そんな気分にもなりはした。 私は自分の心の善が嫌いだ。 辛い仕打ちが必ず裏切りを返してくるから…。 でも、いつもそこには葛藤が有り、その時もやはり財布には手を出す事をせずに、その場を離れようとした。 ─私は別に善人じゃない……寧ろ最低の人間なの。 そう自分に言い聞かせながら、男の前から離れようとした。 その時……。