さえ子「思い返してたって、何を?」




『…――んーん、なんでもなぁーいっ』




さえ子「ちょ、その間はなによー」




『なんでもないって!!ほら、そんなことより、帰ろう!!』



さえ子「帰ろうって、さっきまで寝てた癖にえらそーに」



『まぁまぁ!!ケチな事言わないのー』



さえ子「誰がケチだって?」


『すいやっせん。』


さえ子「ふん。」





『――ねぇ、さえ子』



さえ子「んー?」



『やっぱ今日遊んでかない?』



さえ子「いーけど、なんで?」



『気分よー、きーぶーん!!』



さえ子「全く、コロコロ変わる気分だことー」





―…あの頃の事、さえ子は覚えてるかな


あの頃、さえ子のあだ名をつけた後に、



“ねぇ、真流”


“何?さえ子”




“…ありがとう”





『―…ありがとうはこっちのセリフなんだけどなー』



さえ子「ん?なんか言った?」



『んーん。』



さえ子「変なの」


さえ子はふっと微笑んだ





『―――ねぇ、さえ子』




さえ子「ん?」








『―――…大好き』