真流は治療の痛さに心の中で悶絶した。 なんとか耐え抜き、それが2、3回続いた。 この時既に真流に歯医者に対しての恐怖感が甦って来ていた。 『(看護師さんや先生はいいんだけどな…)』 真流はそんな複雑な思いを持ちながら、今に至るのだ。 しかし、やっぱり、誰でも痛いのは嫌だ。 真流は先週、歯の型を取ったので、今日は何かありそうと悪い予感がしていた。 そして、その予感は…… 見事に的中した。 看「柳田さーん」 『は、はい』