この時は、まだ幸せだった

まだ・・笑っていられた


「アイスたべたぁーい」

女の子が黒い髪を結びながら言う

「えー;;俺ー今、金欠だから無理ー;」

帽子を深く被った男の子が汗を流しながら言う

「しょーがない!!僕が買ってきてやるよ!!」

金色の髪をなびかせ、男の子が振り向いた

その手には、少年の髪と正反対の色の財布

「買ってきてよ!!零(れい)!!」

零と呼ばれた、少年は嬉しそうに微笑んだ

零「うん!何のアイス?」

「シーソルーアイス!!」

「ねぇよ。んなもん」

「ぷぅー!!」

頬をふくらませ、威嚇した。少女に零はクスクス笑った

「じゃあ、俺、ミカンバーで」

「あっ!!優真(ゆうま)ズルイ!!私も!!」

零「ハイハイ(クスッ)」

零は、走り出した

2人の喜ぶ顔が見たくて

でも、喜ぶ顔は見れなかった

そこで、《優真》の夢は終った