「さ、みんなで

 初詣にでも行こうか」


父親の言葉に、

真由の心はびくんとなる。


実はこの日まで、

両親に圭輔と初詣に

行くことを話していなかった。


それよりも

圭輔とあの日以来、

連絡すら取っていなかった。


待ち合わせ場所は?


何時頃に?


色んな思いが

真由の頭を駆け巡る。


「ん、どうした、真由。

 行こう」


父親の言葉に

真由はためらい、うつむく。


ピンポーン―――


インターホンの音が

鳴り響いた。