毎日先生の色々な表情を見る事が出来た

そんな時間が幸せ

それだけで幸せだった

大嫌いだった数学が
少しだけ好きになった

先生がわたしの名前を
呼ぶとドキッとする

先生はわたしの事なんて生徒の1人としてしか
見ていないはずなのに

先生への好きな想いは
日に日に大きくなった

先生の些細な動きさえ
わたしにとって大きな
出来事になってしまう

わたしの中での先生が
どんどん大きくなる

『夏海、どうしたの?
最近元気ないよ?』

みどりが心配そうに
聞いてくれていた

『そんな事ないよ!
いつも通りだよ』

明るく振る舞うけど
みどりは何かに気付いているのかもしれない

みどりに全部話したら
少しはこの気持ちが
楽になるのかもしれない

だけど理解してくれる?

わたしの事をちゃんと
わかってくれる?

親友だと思っているし
隠し事はしたくない

今までも隠し事はない

だけど…

今は話せなかったんだ

話す時期じゃないと思う

もう少し自分の中で
整理してからじゃなきゃきっとみどりだって
理解してくれるはずない