体育館に向かう廊下

大好きなボールの音が
近付いてくる

わたしたちは
興奮していた

体育館に入ると
コートを半分ずつ使って男子と女子が
練習していた

わたしたちに気付いた
後輩達が、練習を止めて挨拶をする

『ご苦労様です!』

幸せなひと時

バッシュを履き
キツく紐を締める

この瞬間が気持ちの
切り替わりになって
気合いが入る

久しぶりに体育館を
駆け回った

暑くてたまらない
体育館の中で
ボールを追いかけた

凌も一生懸命ボールを
追いかけていた

凌がバスケをしている
姿を久しぶりに見る

後輩達が凌に
見とれていた

結局部活が終わるまで
体育館にいたわたしたち

『先輩!来てくれて
本当に嬉しかったです』

かおりが言う

『凌先輩も来てくれて
男子も喜んでると
思いますよ!』

かおりの言葉に凌は
嬉しそうだった

『また来てもいい?
凌も一緒に』

わたしの言葉に
かおりは笑顔で

『絶対来て下さいね!
凌先輩も!』

と言った