「本当です……その人の右の背中に蓮の花の刺青が……」
!!!!!
俯きながら話していた彼女の腕を取り、俺は早口でまくし立てた。
「ソイツが見えるのか?!どこかで話を聞かせてくれない?」
体がダルいのも忘れてしまう位、俺にとっては興味深い話だったのだ。
「じゃあ、家に来ない?」
余りにも大胆な一言に少し躊躇してしまったが、このチャンスを逃す事はしたくなかったのだ。
「分かった」
「後、痛いんだけど」
「えっ?」
「手が……」
そう言われ改めて見ると、俺に握りしめられた彼女の手首が赤くなっていた。
「ご、ごめん!!」
すぐに手を放すと、真っ赤な手に向かって誤った。
こう言う時はどうして良いのか分からなくて、少し挙動不審になってしまう。

