――バタン

思いの外勢い良く閉まったドアに、自分が驚いてしまった。


その時だった。


右の肩甲骨辺りにヒリヒリした痛みを感じた事に気付いた。


なんだろう?

ぶつけたかな?

なんて思いながら左手で触ってみようとしたが、体が堅くて上手く触れなくもどかしくなる。


ええい!面倒くさい。


そう思い、来ていた服を脱ぎ捨て上半身裸になり鏡に映した。


「何だこれ?!」


思わず口から言葉が漏れた。

3~4センチ位のアザが出来ていて、其が変な形なのだ。

何というか……紅葉とか、いや違う。


下に丸みを帯びていて……


何処かで見たことが有るのだが、名前を思い出せなかった。

少し赤みを帯びたソレは、擦ったようなピリピリとした痛みを持っていた。

頑張って左手を回し触ってみると、特に凹凸は無いもののやはりヒリヒリと痛みを感じた。


なんだろう?

言い様のない不安がよぎる。

単なる痣が、たまたま変な形についてしまっただけなのか?

しかし、こんな所をぶつけた記憶が無かった。

昨日、記憶が無い間にぶつけたのかな?

それも嫌だったが、理由が分からない方が数段気持ち悪かったので、そう言う事にしておき、再び服を着直した。