いつも通り布団に入って、5分も経たない内に眠ってしまった俺。


どれくらい経ったのだろうか?

夢の中でふわふわした感覚に身を任せていた。

いつか体験した事がある感覚。

そう思った時だった。
頭の中から声がしたのだ。

自分ではない誰かの声。
聞き覚えの有る声が……


『ナゼ オマエ ダケ……』


--えっ?誰?

心の中で思った事がどうやら伝わっているらしい。
こんな事、以前にも有った気がする。

ゾクッと背筋が凍った。

淡々と話す声が、より恐怖心を感じさせる。


『シアワセ ニ サセル モノカ』


--お前は誰なんだよ?

だいたい、恨みを買うような事をした覚えがない。


『アイツ ヲ コロス』


--あいつって……まさか、真由美ちゃんの事を?!そんな事俺がするわけがないだろう。

今日、告白されたばっかりなんだぞ。

俺はついさっきまで会っていた真由美ちゃんの顔を思い出すと、やっぱりそんな事をする訳がないと確証した。