『オマエハ…ワタシカラ…ノガレラレナイ』
――そんな……
俺は俺の意志で行動するんだ。
言葉には出していないのに、頭の中で聞こえる俺の声。
『クックッ……
ハハハハハハハハハハハハハハハハ』
割れんばかりの大きな声が、俺の頭の中で響き渡る。俺は頭が痛くなり、頭を抱え込みうずくまった。
――な、なにがおかしい?
辛うじて聞いた質問に、
『ソノウチ…ワカル。オマエハ…ノガレラレナイノダ』
そう女は言った。
――その内って…どういう事なんだよ?
そういう俺の問いかけに、もう声は聞こえなかった。
――黙ってないで答えろよ!!!
俺は頭をかきむしりながら女の声を探したが、もう声が聞こえる事は無かった。