酔っ払いの顔が赤から青に変わった。 「イタリアから直送したワインがありますよ。さあ、先生どうぞ、あがってください」 急に正気に返った男は潰れたケースを奪い。機敏な動きで、俺の自宅を飛び出した。 「挨拶くらいしてけよ……教師だろ」 それにしても、あのお嬢様。 勉強より、まずは俺以外の男に色目を使わないことを叩きこんでやる必要があるな。 執事の仕事も楽じゃないな。 第12話に続く