授業中もそのことで頭がいっぱいだった。
放課後になり、俺は一か八かあいつの後を追った。
そして駅前のトイレに入っていき、出てくるのを待っていた。
そして出てきたのは、あいつではなく蝶華だった。
今なら聞けると思いあいつの腕を掴んだ。あいつはふりほどこうと俺の顔を見た


「あぁ、あなたは昨日の「蝶華さん…いや大西彩乃さん」

「えっ……何言ってるの?」

「ここじゃあれなので、場所移動しません?」

「いいけど……」


と言い、あいつと路地裏に行った。


「俺と同じ学校の大西彩乃だよね?」

「なんであたしが大西彩乃って言えるの?」

「家と逆方向の道を週に3回も行ってる、しかもいつも1人。そして絶対駅前のトイレに入る。だが大西彩乃は出てこない。変わりに蝶華が出てくる。」

「あたしより先に入った人が蝶華かもしれないじゃん」

「お前がいつもつけているネックレス、それ非売品で日本に1つしかない。それをどうして2人の人が全く同じのつけてるのだ?」


そう言うとあいつは観念したようにため息をつき

「……はぁー参ったわ。そうよ、あたしが蝶華でありあなたと同じ学校の大西彩乃」

「でも何で隠しているんだ?」

「あたしが蝶華ってばれたら、いろんな族や組があたしを狙いに来るでしょ?あたしが来るように人質をとるやつもいると思う。みんなを巻き込みたくないから、蝶華ってことを隠してる」


そう言っていたけどあいつの目はすごく悲しい目をしていた。
これ以上の理由があるのかと思ったが聞けなかった。