やっぱり、珀には逆らえなかった


「そうだ、伊織、ご飯だよ!」


ご飯…もうそんな時間なんだ…
珀はいつもおいしくて豪華な食事を用意してくれる

だから生きてはいけるんだよね

「ごちそうさまでした」

美味しかったけど
愛がない気がする

だってこの料理は雇われたシェフが作ったもの


たぶん珀は小さい頃から愛のこもった手料理を食べたことないんだろう

「伊織っ、ご飯粒付いてる」

ペロッ

「珀っ!?」

「伊織、可愛い…(笑)」


珀と過ごすこういう時間は大好き


「可愛くなんかっ…」

ギュッ


「伊織は可愛いの…」

普通にしてれば
普通の彼氏なのにな