**** ふわりと、風が彼女の香りを運んだ。 ゴクリと唾を飲むほど。 獣らしく、涎を滴らしてしまいそうになるほど。 甘い、甘い彼女の香りを。 僕は教室を出て、彼女の匂いを道しるべにそこへ行く。 僕が彼女と初めて会ったのはいつだっただろうか。 そう、確か幼い時。 その時に、僕は彼女の笑顔に惹かれた。