有里は里奈のことを心配そうに見てたけど、舜が連れて行った。



「里奈?大丈夫か?」


「ちょっとごめん…」



里奈は近くにあった椅子に寄りかかった。


無理してたか…

昔から心配かけないように隠す性格だしな…



「これ。」


「え…な、なに?」


「いいから手だして。」

俺がそういうと素直に手を出してくれた。



「はい。昔、買ってやれなかったしな。」


よく祭りの出店に出てる毛が生えてるような光るゴム製のヨーヨー。



「あ。覚えてたんだ。ありがと…」


すげぇうれしそうな里奈の顔に見とれてしまった。




―ヒューバーン!――


「「「うわ〜〜〜♪」」」


「花火…」


里奈に見とれてしまっていたら花火があがった。


「すげぇな。」



「きれい…すごい久しぶりに見れた…」



里奈の顔が花火の光できれいに見えた。


花火の光なんかなくてもきれいだと思うけどな…


花火をみるより、里奈を見てしまっていた。花火をきれいと言ってる里奈が愛おしく思えた。




.