「…ッ…ッゆッゆッうや…」


「ん?」


里奈の顔は涙でぐちゃぐちゃになってた。

俺は里奈の涙を親指でふいた。


里奈のふるえはほとんど治まっていた。



「里奈?お前…一体、俺が居ない間に何があったんだ?」


今聞くのはダメだと思う。でも、お前の苦しみを少しでも和らげてやりてぇよ。



「ごめんね…ッ……………」



「今は言えねぇか…言えるようになったら、言って。俺、待つから…」


里奈は座り込んだまま頷いた。


「治まったか?立てる?」


「うん。ありがと…有里たち待ってるよね…」



俺は里奈の手を握り、立たせそのまま歩きはじめた。



「里奈?作り笑いだけはすんなよ。」


本心だ…


「うん…。友哉?昔と、かわったのは顔だけだね。」


ん?どういう意味だ?


俺が訳のわからない顔をしたら、里奈は薄暗い中、すこしだけ笑ったんだ。




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