「里奈。帰ろうぜ。」
下駄箱で靴を履こうと靴を出した瞬間、友哉の声が聞こえてきた。
「いい。一人で帰る。」
あたしって可愛くないなって思う。
素直にうん。って言えばいいのに、つい意地をはってしまう。
「お前、なんか怒ってる?」
自分にね。
素直になりたいよ。
「怒ってないよ。」
家が隣だから帰り道も同じ。
一緒に帰らないって言っても居るよね。
「なぁ~。今日さ、里奈のこと好きって言ってた奴がいた。」
「ふーん。」
あたし、友哉以外の男子とはあんまり話さないのに。
「嬉しくないの?」
「別に…」
好きな人からそういう話を聞くと胸が苦しくなる。
「まぁ、お前可愛いしな(照)」
え。今…
「え。…友哉今なんか嬉しい…」
「バカ。まだましって意味だからな!」
そうか…そうだよね。
すこし期待してしまう。
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