国会での議会を終え、筑波の車に乗り込む淡路。
「あぁそうだ。
筑波、例の場所に向かってくれるかね?
進行状況を見ておきたい」
「はい。
では三笠にも連絡して立ち会わせましょう」
マンション建設中の敷地内。
呼び出された三笠が、懐中電灯を片手に一人で淡路らを待っていた。
「先生もマンション視察の度に、俺を呼び出さないでほしいよ…」
ブツブツと愚痴をこぼしていると、フッと急に辺りが暗くなった。
「あれ?
こいつ、イカレちまったか?」
しきりに懐中電灯を、叩いたり振ったりする三笠。
その様子を物陰から見ている者が居た。
引越し屋の住江だ!
住江は引越しの荷造りに使うガムテープを取り出し、
ビイィィィ…
肩幅ほどまで引き出して、端を左手の掌に3回、ゆっくり巻き付けた。
そして三笠に狙いを定め、右手に持ったテープ巻を投げ付ける!
ビュルルルルルル!!
「!?」
伸びたガムテープが三笠の目を、耳を、鼻を、口を覆い、顔をグルグル巻きにした!
「んもが?…むぉ!」
最後にテープは首に数回巻かれ、まるでブーメランのように住江の手元に返ってくる。
ギュウゥゥゥゥ…!
住江がテープを強く引くと、三笠の首が締め上げられた。
「…っ!!…………」
ブチッ!
三笠が事切れるのを確認し、住江はテープを引きちぎり風のように去って行った。