夜、裁き屋のアジト…


中央のテーブルには住江と朱乃、そして瀬尾。

「なるほど。
調査を依頼したのは、そういう訳だったか」

瀬尾はカチカチと、ノートパソコンのキーを叩きながら言った。


「出たぞ。
綿野さんの話から推測すると、この連中に違いない」

瀬尾はパソコンを回して、液晶モニターを住江に見せた。


「綿野さんの娘さんが通っていた中学校の校長、君ヶ田(きみがた)ナツム。
もう一人は弟のガクモ。

ガクモは表向きは自営業だが、兄の汚れ役を引き受けている。
自分から好んでな」

瀬尾の調査結果を聞いて住江は

「元締、
綿野シマさんから戴いた絵皿を嘆き料として、業務を果たしたいんですが…」


元締の声が、スピーカーから響いた。

「まだ彼らの仕業だという確証がありません。
だから業務の遂行は認めら…」


ガチャ!


元締の言葉を遮るように村雨がドアを開けた。

「元締、ただちに業務を始めさせて下さい。
万が一の為に、綿野さんを見張っていた秋野から連絡があった。


綿野さんが…亡くなった」