「えぇっ!?
村雨さんがケガをっ!?」
演奏会の休憩中に控室で、あこは香奈に経緯を話した。
「そうなのぉ。
お兄さんのケガは大したコト無いんだけどぉ…
ちょっと裁きは無理かなぁ。
で、今回は仕方が無いってコトになってぇ…
裁き屋の元締と御終屋の元締に連絡してぇ、特別に協力しあう許可を貰ったの」
「それでっ!?
村雨さんは今どこ!?」
「私が安全な場所に運んだから無事だよぅ。
落ち着きなよ、香奈ちゃん」
正直、香奈は混乱していた。
まさか
自分のコンサートの会場で…
しかも
あこちゃんが御終屋で…
更に
村雨さんがケガをして…
そんな様子を察してか、あこは香奈を励ました。
「香奈ちゃんは取りあえずコンサート!
ね?
的は私が逃げないように見張ってるからさ!」
「うん…
それで、今回の的って…」
「その話は後で。
お客さん待ってるよぉ」
あこは香奈の肩を揉みながら、
「はい、リラックスしてね」
香奈は目をつむり、友の計らいに感謝した。
(ありがと、あこちゃん)