好きな人は、天然タラシ。

 

待って…、なに、この状況…!?


「ああああ、あのっ…!」


「ん?」


私はずんずんと歩いていく福嶋さんの背中に声を掛ける。


「どっ、どこに…?私が乗るバス停、反対方向で…そろそろ終バス…」


「―――――ん、何言ってるの?帰さないよ?今日は」


「!!!」


いやいや、福嶋さんこそ何を言ってるんです!?


「うまいもん食いたいから付き合って、って言ったでしょ?」


「それは聞きましたけど…、さっき食べました、よね…?おいしかったですよ?」


「………………」


ピタ、と福嶋さんの足が止まった。


「!?」


ぶつかりそうになったけど、ギリギリのところで踏みとどまれた。


福嶋さんがゆっくりと私の方に振り向く。


…………その表情には笑顔がなくて、真剣なものだった。