「福嶋さぁん…」
塚本さんの甘えた声が聞こえてきたのと同時に、田岡さんの手が塚本さんの腕を掴んだ。
「塚本さん、南区の方だったよね?俺南区だし、送るから帰ろうか」
「え、でも、私」
「早くしないと終電逃すから」
「いや、でも」
「…わがまま言わないで。行くよ?」
「―――…っ」
にっこりと笑っているのに強引な田岡さんに、塚本さんが黙った。
…いや、誰でも黙るよね、その笑顔見せられたら…。
そして、塚本さんの手がスルッと福嶋さんから離れた。
その様子に田岡さんは満足そうな顔をしている。
まさに、ロックオンした目。
……………いやいやいや。
もしかして、田岡さんてば塚本さん狙ってたの?

