好きな人は、天然タラシ。

 

「………………っ!?」


若い若くないって話してたのに、いつの間に好き嫌いの話になったんですか!?


にっこりと笑う福嶋さんのことを、私は言葉も出ず、見つめることしかできなかった。


「え~福嶋さん、私にも好きって言ってくださいよぉ~」


甘えるような塚本さんの声に、私ははっと我に返る。


福嶋さんの目線も塚本さんに移ってしまった。


上目遣いで目をキラキラとさせている塚本さんは、極上にかわいい。


…これで落ちない人なんていないでしょ…。


やっぱり、若さ、って強いと思う。


私は軽く嘆息した。


「好きって言って欲しいなんて、塚本さんはかわいいね」


にっこりと笑う福嶋さんに、塚本さんはぽーっとしちゃってる。


出た…天然タラシ。


あれに落ちないなんて、無理なお話だよ…


「――――あれ。意外ともうこんな時間か」


田岡さんがスーツの袖をまくって、腕時計を見ながら言う。


…何時だろう、と私も腕時計を見た。


針は11時を過ぎたところを指してる。


これはギリギリで終バスだな…。