なんで自分はあんな人が好きだったんだろう。そんな疑問まで生まれるぐらい頭はぐちゃぐちゃでごちゃごちゃだった。

こんなに悲しい思いをするなんて。
こんなに悔しい思いをするなんて。



その時に思った。
高校から。高校からでいいからいつかあの嘘つき王子をぎゃふんと言わせてやると。






…っとまあ長い過去が私にはあって今ここにいるわけである。
でも、そのインチキ王子は別の学校だったし(後から気づいた)どこにいるかもわからない。

今思うと呆れてしまう話。当時はもちろん本気だったが今ではどうでもよくなっている。


「…初恋かー…」
髪の毛の毛先をくるくると指でまるめてみる。
…金髪にしたせいか、髪は痛みまくり。

昔は真っ黒で長い髪の毛が自慢だった。
枝毛なんかなかったし毛先まで綺麗に手入れをしていた。

ちょっと失敗したなー…


「…っと!!やばっ…先生!!」

席から立ち上がり時計を見る。…6時。

怒られる!!

机の横にかけてあった鞄を持ち猛ダッシュで階段を下りる。
廊下の突き当たりを右に曲がったて一時落ち着く。

「ふぅ…」

“生徒指導室”今日は、女子便の落書きをお前がやったんだろ。とか言われて呼び出された。

もちろんやってない。

他の子がやっても見た目であたしじゃないかと毎回疑われる。

この世界は理不尽だよねー…
そんなことを考えながらドアを開ける。

「遅れてスミマセン…」一応一言謝って中に入る。
机が用意されており、生徒指導の先生が一人と…いかにも真面目そうな男子が一人。


「早く座れ。こっちは待ってたんだ。」

「あ、はい」

おとなしく席に座る。
先生と男子と向かい合う。


…き、気まずい