数分、いや数秒前まではあんなにも・・・楽しかったのに。


こうやってまた一人になると寂しい。

シロは寂しくしていないだろうか。
確か、シロのハウスは柏木の部屋の隣だったはず。


何かあれば、すぐに柏木が対処をしてくれるだろう。




しかし、そうとわかっていてもなかなか心配は解けず、結局お風呂に行くついでにシロのことも見に行くことにした。





そっとドアを開ける。

もしかするともう寝ているかもしれないからな。


そして、シロのハウスが目に止まる。

ハウスに使づいてみると、そのハウスの中で丸くなって寝ているのがわかった。
どうやら、このハウスを気に入ってもらえたようだ。


「シロ。お前は寂しくないか?」


「こんなところで一人にさせて悪かったな。」


「でも、お前は一人ではないのだからな・・・。」


「私がいるからな・・・」



シロからの返事はないがなぜかこうやってシロに話しかけていた。

まるで、自分に言い聞かせるかのように・・・。

「シロ・・・。私は―――」


寂しいぞ?


とても、とても、とっても―――寂しい。

薫がこの家から出て行ってまだ2日目だ。
それなのに、この状態なのだぞ?

私はこの先大丈夫だろうか。


ちゃんと、生きていけるのだろうか。





でもな、先程、少しだけ思ったことがあるのだ。

こんなことを言うと、薫は怒るかもしれないな。




でも、本当のことなのだ―――



先程、香織が私のところに来てくれた時、少しだけ―――

ほんの少しだけ、安心したんだ―――


嬉しかったんだ、楽しかったんだ―――