「シロ。薫はこのまま帰ってこないだろうか。」


『クン』



「明日、学園で会えるだろうか。」


『ク~ン』


もしも、明日学園に薫が来なかったらどうしようか。





私の計画はうまくいくのだろうか。


今度は、ゆっくりと前に進むべきだということを今回のことで学んだような気がした。



あの1年前の私はどうかしていたのだ。

必死で、薫に言葉をぶつけていた。


自分の思っていることを、正直に。


今考えるとバカな話だ。初めてまともに会話をしたかと思えば、いつの間にか気になり始めていて。

そしてまたいつの間にか、その気持ちが恋心へと変わり「この人と一緒にいたい」などという感情に駆られる。


普通ならこれらのことは時間をかけて日々進歩することなのだろう。

しかし私は、ものの数時間の間にこれらすべてが整ってしまったわけだ。



そして気が付けば自分の気持ちを制御できなくなっていた。



あの時の私は早く薫に自分の気持ちを伝えたくて。でも、弱い私は言えなくて。


そんなとき薫は「皆同じで弱いんだ」ということを私に教えてくれた。

だからかもしれない。





薫にちゃんと気持ちを伝えられるか不安だった。



きっとだめだろうと思っていた。

こんなにも短時間のうちにできた気持など、信じてもらえるわけがないと。



でも、それでも、今の自分の気持ちを―――


この時初めて強く思えたんだ。




誰かに、自分の気持ちを真正面から聞いてもらいたいと―――