「ごめんな、姫乃・・・」

やめろー!


こっちが惨めに思えてくるではないか!



薫はおそらく自覚がない。

自分がどんなにキスがうまいのか。


Sっ気がありすぎるのが原因で私の意識が飛びそうなことも知らないだろう。

何というか・・・頭の中がボーッとするくらいに・・・Sっ気というよりただ・・・




これ以上は言わないでおこう。
私の口からは言い難い言葉だ。

とにかく今は私の目の前にいる、この子犬のような眼をした薫をどうにかしなければ。


「まぁ、謝るほどのことではない!そこまで落ち込むな!」




そのとき、薫の目が子犬の目からオオカミの目に変わったのがわかった。

まずいと思ったそのときは、すでに遅かった。



「じゃぁ、もっかい」

「は!?・・・っ!」




はぁ・・・だめだ。


今日も私は、このS執事、いや、S彼氏に遊ばれている。