お風呂から上がって、部屋に戻ろうとしたとき柏木に手招きをされた。


「どうした、柏木。」

「お嬢様・・・それがシロが元気がなくて・・・。」
「シロが!?」


急いでシロの元へ向かう。

シロのハウスがある部屋に入る。



そこには少しぐったりしているシロの姿があった。



「シロ?大丈夫か?」

『ハァッハァッ・・・』


息遣いもいつもと少し違う。

どうしてしまったのだろうか。


「お嬢様、柏木さん。こんなところで何を?」



そこに来てくれたのは、薫。

「お嬢様はお風呂から出てこられるのが遅いので心配してたんですよ?」

「薫!」


「えっ、な、なに!?」



勢いよく、薫に抱きつく私。

「どうしよう、シロが、シロが元気がなくて!」

「シロ?・・・シロっ。」


薫がシロを抱き上げる。

そして、まるで獣医さんのように薫がシロの体をみる。


「柏木さん、シロの食欲は?」
「前より少し食欲が落ちています。ご飯を残すようになりまして・・・」

「よく走りますか?」
「散歩には行きますが、帰ってくるとこの状態が多いです。」


「くしゃみや、咳などは?」


『ガフッ』



その時、シロが咳をした。

そして、薫が「わかりました」と言って、シロを抱き上げたまま柏木に車を出すように言った。


「おそらく風邪です。しんどかったでしょうね。病院へ行って薬をもらって飲めば治りますよ。」

「わかりました、すぐに車を用意します!」