「んー…」



時折、微かに漏れる彼の声に、びくびくしながら、準備を進める。

なんて心臓に悪い、朝なんだろう…。


完成した朝食を机において、部屋に戻る。



「ふーーー…」



やっと、まともに息が出来た。

早く準備して行こう。



「では、いってきます」
ガチャ
ガチャ



3人に挨拶をして、部屋を出た。

開けた扉は一つだけ。二つの開く音が重なるのは、あまりにも不自然。



「…知那」



やっぱり…。どくりと、ひときわ大きく心臓が波打った。

なるべく自然に、振り返った。そこには彼の姿。