「知那ー?聞くだけ無駄だろうけど、今日遊べるー?」

「ごめんね、バイト」



放課後に友人と遊ぶなんて、したことない。

憧れるけど、仕方ない…。


カバンを肩にかけて、教室を出た。バイト先は学校の近くにある、可愛らしい喫茶店で、高校生たちがよく来る場所。



カランカラン「おー、早いな、ちー」


裏口から入るとちょうど、店長と自称看板娘の、咲音さんがいた。

本来なら高校生は雇わないらしいが、店長のご好意でいれてもらった。


「こんにちは。マスター」

「まだ30分あるぞー?」

「入ったら、ダメでしょうか?」

「んー、じゃあ咲、上がるかー?」

「はい!」

「笑顔でいうな!」


咲さんは、2つ上の大学生。大学生は既に夏休みだから、朝から入ってる。